昔のゲームは規制が緩かったためか、子どもに見せられないようなゲームも普通にあった。誰も救われないエンド、容赦ないグロ表現、怖すぎるバグ。日本のユーザーたちに衝撃をあたえたゲーム6つを紹介しよう。*閲覧注意
1.トラウマ確定……「東宝見文録」
東方見文録とは、1989年に株式会社ナツメから発売されたアドベンチャーゲームだ。
「東方見 文録」はゲームの主人公の名前であり、時間旅行を研究している大学生。商売にも興味があり、将来は自分の店をもちたいと思っていた。
そこで「東方見聞録」という冒険書に、マルコ・ポーロが「黄金の国ジバングへ行き、宝と金を持ち帰った」という記録を見つける。文録は開業資金を稼ぐため、タイムマシンで1275年に行き、マルコと一緒にジバングを目指して旅をするというストーリー。
ローマ法王との戦いや、フビライハーンとの戦い。さまざまな冒険を経て、2人はジバングにたどり着く。しかし、文録がタイムマシンに乗って歴史をゆがめたことが原因で、戦いに負け、マルコは亡くなる。
そして多くのプレイヤーを鬱にさせた衝撃的なエンディング…。
文録は歴史をゆがめた罪で、ジバングではなく、狂気の世界に幽閉されてしまう。主人公はどんどんおかしくなり、ムンクの叫びのように発狂。

「おか~さ~ん」「おか・おか・おか~さ~ん…」
と連呼して、ゲームが終わる。
何十時間もプレイしたあとに、このエンド…。
2.美少女ゲームのはずが…!?「狂った果実」

「少女は狂ったぐらいがちょうどいい」
がキャッチコピーの「狂った果実」は、1992年、美少女ゲームの大手メーカー・フェアリーテールが発売したゲームだ。
主人公はイケメンの大学生。美香という小学4年生の少女の家庭教師になり、美香ととても仲良くなる。
しかし、そこからストーリーはおそろしい展開へ。
主人公はモテたため、恋人がいたが、いろいろな女性に誘われて体の関係をもつ。
その女性たちが次々と不可解な事故で亡くなっていくのだ。
グロテスクな描写もしっかり描かれる。
大人たちを事故に見せかけて殺していったのは、小学4年生の美香だったというオチ。
最終的には恋人も美香によって溺死させられ、主人公も片目を失明させられる。
美香による殺人は事件になることなく、主人公だけが「美香が殺した」と確信をもったままエンド。
美香が何食わぬ顔でフランスに去るとき、主人公は「イツカ・カナラズ・コロシテヤルカラナ」と恨みをつぶやく。
小4の少女が大人たちを事故に見せかけて無残に殺していくストーリー、美少女に似合わないグロ画像、なんの救いもないエンド。美少女ゲー展開あはんうふんを期待した若者がギセイになっただろう。
3.トロと休日

かわいいキャラクター「井上トロ」。トロと休日は、2001年に発売されたプレイステーション2用のソフトだ。
港町をトロと一緒に散策しながらお話をするという、ほのぼの系ゲーム。背景は実際に撮られた港町の写真が使われている。
ある一枚の背景に、プレイヤーの多くが戦慄した。
「本物の心霊写真がうつってる!」
よく見ると、そのうちの一枚に、「家の窓から巨大な人の顔が、こちらをのぞいている写真」があった。
すぐに心霊写真事件だと話題になり、報告を受けたソニーが削除することに。
癒し系ゲームだっただけに、多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。
4.実は重いストーリーもある「パワポケ」

「パワポケ」は少年野球をして活躍していく、小学生向けのスポーツゲームだ。ただの野球ゲーではなく、恋愛あり、ドラマあり。かつてはパワポケをプレイすれば、ほかのゲームはいらないといわれたほどだ。
そのドラマには、トラウマになりそうなぐらいに重いものも多い。試合に負けてバッドエンドを迎えると、かわいいキャラクターが死んだり、精神が崩壊したりする。
パワポケ4の登場人物「芳槻さら」のストーリーも重く、小学生に見せていいのか疑うレベル。
芳槻さらは主人公の同級生。普通の真面目な女の子だったが、ある事がきっかけで人を避けるようになり、いつも暗い雰囲気をまとっている。
屋上で1人、休み時間を過ごしていたところ、主人公と出会い、友達になる。
さらが人を避けるようになったのは、家族に問題があったから。
幼い頃に母親を亡くし、父親は会社を築いたが、倒産して借金をつくってしまう。借金に追われる生活に、さらの双子の姉は「こんな貧乏な家族はいらない」と言って、別の家に養子に出る。
双子の姉をすごく好いていたさらは「裏切られた」と感じ、姉を憎むようになる。家族の事情を知った同級生や友達もさらを避けるようになった。そして、さらは父親だけを信頼し、依存するという状態に。
しかし、その父さえも事故で意識不明の状態になる。さらは信じられる人が誰もいなくなり、「父さえも私を裏切った」と屋上で自殺を図る。
主人公が呼び止めて説得し、「俺を信じろ。俺はさらを裏切らない。」「さらが好きだ!付き合ってくれないか?」と告げる。明るいBGMが流れ、ハッピーエンドだと思われたが、一転。
「すみません。無理ですよ。」「パワポケくんも裏切るって心の中で誰かが言っているんです。」「さようなら」とさらは飛び降りて死亡。
主人公は不眠症になった!という表示のあと、
「なあ、さら。どうやったら・・・・人を好きになれるんだっけ?」
「こうして少しずつ、さらの笑顔を忘れていって、そして誰も信じなくなるのかな?」
と、さらの墓を見ながら思う主人公。
主人公の心も破壊されるという、なんともいえない鬱エンド。本当に子ども向けなんだろうか?
5.かまいたちのよる2で起きた怖すぎるバグ
2002年にチュンソフトが発売したプレステ2用のゲーム「かまいたちの夜2」は、怖すぎるバグで有名になった。
バグは、金のしおりというアイテムを入手し、特定のシーンにさしかかるとランダムに発生する。
それまで普通の文章だったはずが、急にブロックノイズのようなものが画面に走り、背景が真っ暗になる。BGMは消え、ピーーーという電子音だけが鳴る。
そして4つの選択肢が突然、表示される。
A.呪われよ
B.苦しみを選ぶ
C.注意
D.なぜあなたは死ぬか
さらにバグ画面は4パターンあり、「だ。だ。だ。だ。」という字だけで画面がいっぱいになったり、謎の青い顔をした人があらわれて、こちらに話しかけるような文章が表示されたりする。
奇怪な文章の羅列もあった。

「出口仁三郎になりました。ささくれて頭くじられます。地獄です。とても地獄です。ですから注意しましょう。呪われても仕方がない。呪われても仕方がない。呪われても仕方がない。」
「血を吐きます。頭が割れます。脳が出るのがつらいです。」
「目をえぐったそれの嫌らしい」
「恐怖 するんだ 。ぼきが 最後に見た
それ の 忌まわしい 姿」
7.終わらない夏休み

夏休み、増えてほしいよね…。
2002年に発売されたプレステ用ゲーム「ぼくのなつやすみ」。田舎の親戚の家へ預けられた9歳「ぼく」が夏休みを楽しむストーリー。昆虫採集や、魚釣り、絵日記、洞窟体験など、なつかしい遊びをするゲーム。説明書には「大人のダメをどんどんやりましょう。それが楽しい夏休みの基本です。」と書いてある。
夏休みのため、8月31日を迎えると主人公は自宅に帰り、ゲームが終わる。
通常なら。
8月31日で終わったデータを再ロードし、絵日記を開くと、8月32日が出現する。

存在しないはずの8月32日は、文字が崩壊していき、キャラクターたちが腐ったような色になる。
ほのぼのとした食卓のはずが、父は青くただれ、母は体が透け、姉は下半身だけになって主人公のとなりに座っている。
絵日記は白紙になったり、日付を追うごとにグチャグチャに。
異世界に入ったような8月32日。あなたは8月31日を越えたいと思うだろうか?