クマは軽くひっかかいただけで、人間の皮膚を紙みたいに破れる。体長は2m近く、またはそれ以上が普通であり、立ち上がれば人を見降ろせる。
まるで巨人のようなクマから、どうやったら助かるのだろうか。
クマを撃退することができた三人

クマは非常に臆病といわれているため、まずクマに会わない、近づかせないといった対策をしなくてはいけない。
クマに会ってしまい、近づかれたら最後。誰もがそう思ってしまうが、クマに応戦して追い払った例がある。
クマに目つぶしを食らわせた63歳空手家
群馬県長野原町。63歳男性が山菜採りをしているとき、クマ接近。男性が気づくと、すぐにクマは臨戦態勢に入り、男性に襲いかかった。
男性はヘッドロックをかましたり、空手技で応戦したりしたが、クマに強い力で振り払われたり、腕や足に噛みつかれたりと激しい戦いをした。
男性は「これはやられそう」と思い、クマの右目を突いたたところ、ひるんで去っていったという。
63歳男性は地元で名を知られた空手の高段者。クマに応戦した力だけでなく精神力もすばらしい。記者のインタビューでは「耳がまん丸だった」「すごい力だったよ」と、とてもトラウマレベルの体験をしたとは思えない感想を言った。
ノートパソコンで叩いて撃退―アメリカ19歳女性
2020年6月、米カリフォルニア州南部で、19歳女性・シエラ・マドレさんが裏庭のイスに座り、眠っていたところ、クマに襲われた。
マドレさんは食料をもって眠っていたわけでもなく、小グマと母グマのあいだに入ったわけでもない。「食料」としてねらわれた可能性が高かったという。
クマはマドレさんの手足をひっかき、脚に噛みついた。
そのとき女性がもっていたのはノートパソコンのみ。
脚の痛みにたえながら、ノートパソコンでクマの頭を強く殴った。クマがひるんだ隙に屋内へと入り、事なきを得たという。ちなみにこのクマは今も見つかっていない。
クマをはたいて撃退した82歳女性

2020年7月16日、広島県、佐々木留美子さん・82歳女性が自宅の裏庭で草むしりをしていたところ
、ツキノワグマがあらわれた。クマの体長は約150cm、体重は150kgほど。
クマは佐々木さんと目が合うと襲いかかり、ひっかくなど攻撃をしてきた。
佐々木さんはキャーッと悲鳴をあげて、がむしゃらにクマの顔を叩いたところ、クマが吹っ飛んでいったように見えたという。
生命力をフルにつかった「火事場の馬鹿力」が起きたのだろうか。
クマに襲われたときはどうする?

撃退した人たちの共通点を見ると、以下のことが考えられる。
絶対に走って逃げてはいけない
恐怖の対象を目の前にしたとき、多くの人は見えないように背を向けたり、走り出したりしてしまう。
背を向けて走り出すと、クマの狩猟本能を刺激してしまうため、最も危険な行為だ。
またクマは本気を出せば時速60㎞以上の速さで走れるらしい。常人が走って逃げたところで、すぐに追いつかれて終わってしまう。
怒鳴り声をあげる
クマはもともと臆病な性質で、大きな音や声に弱い。
とくにバイクの音など低くうなるような音は、強い恐怖やストレスになるようだ。
動画の男性のような声の練習をしておくといいかもしれない。
どこでもいいから強く殴る
サメの場合、「鼻先を殴れ」と言うが、クマは体全体に痛覚があるため、どこでもいいからとにかく殴る。
臨戦態勢に入ったクマが少しの刺激で目を覚まし、もとの臆病な性質に戻って逃げることがよくあるという。
武器をなんでもつかったり、目を突いたりなどして応戦しよう。
生きるのをあきらめたら確実に終わる。やられっぱなしではダメ。